多分。もう書かないと思うのでfirst kissのストーリーを書いてしまおうと思います。記憶がある内にw
 
両親を殺されて基本的に遺産は千紗が引き継ぎ、翔太は洋館の管理と妖怪退治だけを任される。実質、遺産0である。
敵のお兄ちゃんによって助けられた(名前忘れた)ので、千紗の姉、別名姉さん(名前忘れた)は無事に保護される。
敵に囚われたのは、姉貴(実はおばさん)と千紗と同じコピーの少女。二名の救出に向かう翔太だった。
敵の指名して来た場所に向かう翔太は実は千紗の在意力で作られた複製人形であった。
犬神の姫と出会う。
犬神の姫に札の出し入れが邪魔だと左腕を切り落とされる。
犬神とその他の妖怪数名が待つアジトに翔太は連れて行かれる。
そこで姉貴と少女は全裸で捕らえられている。
翔太は二人の身柄が安全なのを条件に、性的奉仕を要求される。エロポン太の得意分野であるのが、ホモである。
当然、男一人に犬神二匹(だっけ?)と里見に恨みのある妖怪数匹が同時にエロいことをするシーンである。
詳細は省くが、途中調子に乗った犬神にティンティンを食いちぎられ、しかもその傷跡にぶち込まれ、悲鳴の連続である。
あ、ケツも当然掘られています。
おしゃぶりもさせられます。
あれやこれや一人で大変です。いや、一人で変態です。
無事に?妖怪たちを満足させ、約束は守られます。
後には左腕を無くしティンティンを食いちぎられた翔太が転がっています。妖怪たちは満足し、意気揚々と立ち去ります。
肉体は人形ですが、痛覚とかあるので、翔太はボロボロです。
髪の毛の中に仕込んでいた札を抜き、股間に叩き付ける翔太。無事にティンティンも生え、姉貴も安心です。
っていうか、犬神たちに犯される翔太を見て、少女も一緒に濡れ濡れです。
人形なら道徳的に問題なしと翔太は姉貴に犯されます。
疲れているので翔太は逃げるに逃げれません。しかも、股間はビンビンです。エロポン太です。
少女も一緒になって、ヌメヌメです。
千紗が敵のアジトに救出に向かい見たのは、二匹の犬神と妖怪の死体と二人の女に(自分の母親と同じコピーの少女)襲われる(自主的に)翔太だった。
「ごちそう様っていうか、ごちになりました」と姉貴は千紗に微笑む。
どうやら犬神たちは犬神の姫に殺されたようだった。
さて、修羅場を挟んで犬神の姫を探し当てた翔太は、お兄ちゃんと一緒に向かいます。
「手前は一度逃げ出したんだろ!また逃げるのか?また逃げるために、ここに来たのかよっ!!?」
翔太は、陣:止水鏡明を開く。
止水鏡明とは無限に映し出される犬神の姫の姿の中に、一つだけ残された記憶の欠片を実体化させる陣である。
犬神の姫=無限数VS翔太とお兄ちゃん(戦力外)である。
勝負は見えてます。翔太に一人でも勝てるのか怪しいのに、無限数の姫の前では勝ち目あるはずがありません。
陣は破られ、現実世界に戻されます。
現実世界では、大型拳銃を両手に千紗が待ち構えてました。
「どっちを向いても敵だらけ。遠慮無く撃てるっていいかも?」
撃ちまくってていた千紗が叫ぶ。
「そこの左端!一人だけ怯えて何も出来ない子がいるっ!!」
お兄ちゃんが犬神の姫に言います。
「ごめん。助けられなくて、怖くて、何もかもが怖くて、何も出来なかったんだ」
千紗は無双で、翔太はぼんやりと空を眺めていた。
エピローグ。
ある日、全ての荷物が捨てられた洋館にいる翔太。
洋館の管理及び里見の全てを千紗が掌握したと告げられる。
「下克上で御座います。翔太様はもう用無しで御座います」
千紗は言う。
「あたしはずっとここで待っててやるから、翔太は……姉さんと(名前忘れた)100年人生やって来い」
メイドさん(名前忘れた)とセットで家を追い出される翔太。
「何かすっげえ懐かしいな」と言いながら翔太は玄関の閉まった家の前で座り込む。
いつの間にかうたた寝をする翔太。その頬がつんつんと突かれる。
目を開いた翔太に微笑む姉さん(名前忘れた)。
エピローグ2
イチャラブしている翔太と姉さん。
でも、途中でイチャラブが終わっちゃう。っていうか、いっつもじゃん。
なんで?どうして?いっつもここで終わるの???
問い詰めると姉さんは言う。
「そりゃ、翔太くんは経験がいっぱいあって、あれもこれも色々知ってるだろうけど……あたしは…………初めてなんだよ。大事にして欲しいよ」
「いや、してるよ。めっちゃ大事にしてますよ。でも、キスくらいは普通」
「だからっ!そのキスが初めてなの!!」
そして、結婚まで結婚式までキス禁止と御達しが出る。
処女を大事にしてて新婚初夜までH禁止はよく聞くけど、たかがキスをそこまで大事にするか?
これって実質イチャラブ禁止じゃん。
そして、半年後。
無事に高校を卒業し、念願の結婚式……いや、ファーストキッスが出来る日が来ました。
そして、妙に不機嫌な千紗の視線を感じながら、唇を重ねる翔太。
「くそっ。後ろの千紗が怖くて何も覚えてないぞ。せっかくのファースト・キッスなのに」
そして、結婚式のフィナーレ。ブーケを投げるシーン。本気で奪い合う姉貴と千紗の二人。
姉さんの晴れやかな笑顔でエンドです。
 
 
お疲れ様でした。
ざっくりとした感じですが、こんなのを続きに考えてました。
誤字脱字などがあるかもだけど、もう読み返すのも疲れましたw
first kissを楽しみに読んでてくれた人にはごめんなさいとしか言いようがないです。
これからもぼちぼち小説を書き続けるので、よろしくお願いします。
では、また。

windows10です。
Technical Previewです。
英語ばっかでややこしいです。
でも、IMEは日本語です。
おかげで日本語が打てます。
いつものローマ字打ちに比べたらかなり楽です。
  
  
使った感じだとかなりいいと思います。
ま、本音を言うなら……これなら買いだと思いました。
正直、見直しました。
うぶんつもいいけど、やっぱwindowsいいじゃんと。
この調子でもっと良くなるのだw
   
  
製品版を首を長くして待ってるぜ。
windows10は、この段階では買いです。

   scene-16
 
 
 小学校の保健室……僕が寝泊まりしている部屋の壁掛けの鏡の前で、僕は信じられない光景を目にしていた。
 鏡に映っているのは僕。その後ろには苦笑いをした女子。昨日、僕の髪を切ってくれた女子生徒が僕の顔を覗くように見ている。そして、その反対側には満面の笑顔を浮かべた真性の禿茶瓶が映っている。
「いや、ちょっと待てよ。なんでこうなるんだ?」
 引き剥がしそうな勢いで僕は鏡に食い入る。
 昨日の僕の髪は背中の真ん中ぐらいの長さで、毛先がカールしてて……見ようによってはお姫様みたいな髪型だった。その髪型が嫌で、髪をショートにしてもらったんだ。
 僕の好みにはちょっと長いような気もしたけど、綺麗に纏まっていたし切り直すのも面倒だろうと思い「good!」と言った。
 ま、実際には「いいんじゃない」だったけど。
 それがなんでこんなにふわふわの頭になっているんだ?
 髪が実寸の3/2くらいの長さに縮んでいるじゃないか!?
 パンチほど縮れてはいないけど、普通の高校生なら職員室へ連行されてもおかしくない髪型だった。
「だ、だからさ」
 後ろの女子生徒が視線を合わさないように目を泳がせながら言う。
「元々が癖毛だったんだよ。そ、それに……朝、ブロウで髪を伸ばすって手もあるじゃん」
 確かに毛先はカールしてたが、曲がっている部分を切れば癖は無くなるんじゃないのか?
 朝からドライヤーで毎日髪を整えるなんて生活は、僕は絶対に嫌だった。
「はっはっはっ。だったら俺とお揃いでスキンヘッドにするか?」
 上機嫌に朽木が言う。
「うるさい。黙れ。死ね。ハゲ」
 僕は口汚く罵る。地団駄を踏みたい気分だった。
「いやぁ、お前の罵詈雑言も、その声で聞くとまるで天使の歌声だな」
 本気で嬉しそうな朽木を見て僕は思う。このドM坊主め、と。
 僕は傍らにあった白衣と拳銃を掴んで保健室の出入口へ走る。
「地獄に落ちろ!この禿っ!!!変態!!!バーカッ!!!!!!」
 閉じたドアから聞こえる朽木の高らかな笑い声が本気で腹立たしかった。腹立たしく、悔しかった。けど、泣きはしない。
 目尻に冷たい物を感じたが、これは汗だ。汗に決まっている。
 
 
 白衣に袖を通しながら僕は橋に向かって歩いた。
 出島と陸を繋ぐ、通称出島大橋へだ。
 ゾンビの姿は無し。ってか、動く物は何も見当たらない。絵に書いたようなゴーストタウンだ。これもいつも通りって言うのかな?
 道のそこら中に埃の浮いた自動車が放置されている。見た感じ壊れてないけど動くのかな?
 ま、動いたところで十七歳なので運転出来ないけど。いや、免許は生前に取ったから運転の方法は知っているけど、未成年だから運転はダメだろう。
 ……ダメだよな?
 知らん顔をして止まっている自動車に近付き、後ろ手にドアの取っ手に指を掛ける。
「ん」
 思わず声が出たけど、出ただけでドアは開かなかった。ロック掛かってるじゃん。
 試しに他の車も試したけど、やっぱりダメだった。
 バイクも何台かあったけど、全部キーが抜かれていた。
 映画とかでキーを使わずにエンジンを掛けてるシーンを見たことがあったけど、生憎と僕にそんな知識は無かった。
 いや、もしかしたら……キーを何とかしてもガソリンが入ってないとかありそうだ。
 僕は車は諦めて歩きで行くことにした。最初からそのつもりだったし。っていうか見た車全部がマニュアル車だった。2000ccクラスの車をマニュアルで運転って、どんだけマニアックなんだ。
 いや、でも、昔はほとんどの車がマニュアルで大型になればなるほどFRだったか。
 などとぶらぶら歩いてる内に橋が近付いて来た。
 橋の真ん中にはサブマシンガンを構えた風紀委員の姿が見える、けどそれを無視して歩を進める。
 朽木の言うには、「昼間も出入りしている生徒は結構いるぜ。島の中じゃ授業をサボるにも場所がないからな」だそうだ。
 つまり、僕一人の出入りがチェックされるはずがないと僕は思う訳で……訳なんですが、何でそんなにこっちを睨んで来るんですか?
 見てる。めっちゃ見てるよ。ってか、露骨に警戒されてるっぽいんですが?
 マシンガンを向けられてるわけじゃないけど、いつ向けられてもおかしくないほどの警戒っぷりなんですけど。
 あれか、風紀委員はここを通って出た生徒の顔を全部覚えていて、顔を見ていない相手を不審人物としてチェックする機能でもあるのか?
 いやいやいや、そんな橋を通った人間の顔を全部覚えているなんて人間いないだろ。……!?人間じゃなかった。女の子の姿をしてても、あいつらは獄卒、地獄の鬼だった。
 僕は出来るだけ風紀委員の目を見ないようにして、足も出来るだけ足音を立てないように歩いた。いや、自分でも不審な動きって思うけど、自然とそうなっちゃうんだから仕方がない。
 きっと僕は浮気とか一瞬でバレるんだろうな。いや、もちろん生前の僕は真面目一本槍で浮気なんかしたことないですよ。単にモテなかっただけかも知れないけど、浮気をしたことはないです。はい。
 風紀委員の横を無事に通り過ぎてって、背中にめっちゃ視線を感じるんですけど!!
 確信する。いま後ろを振り返ったら風紀委員とバッチリ目が合うと。
 背中に視線を感じるまま僕は冷汗をかきながら歩みを進める。
 あそこだ。あの背の低いビルを過ぎれば横道に入るんだ。後10m……5m……3歩……1歩。今だ!
 ほとんど飛び込むみたいに僕はビルの影に隠れる。
 マジで冷汗をかくなんて生まれて初めてかも知れない。僕は手汗で濡れる手の平をじっと見る。いや、生まれてからじゃない。死んでからだ。
 ま、それはともかくすっげえ怖かったな。もう見てないよな、とひょっこり顔を覗かせ……まだこっちを睨んでいた風紀委員とバッチリ目が合う。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
 訳もなく謝りながら隠れる僕だった。
 引いたはずの手汗がぶり返していた。ってか、なんでこんなに手汗をかくんだよ。汗かきかよ、この女。
 汗で濡れた手をTシャツの腹で拭き、早足にビルの影を商店街に向かって走る。
 睨んでる風紀委員は、しかし、それ以上のことをして来なかったから、放置していて大丈夫だろう。それよりも先ずはお腹が空いているので、腹拵え先だ。
 小学校を飛び出したのが9;30過ぎぐらいだから、そろそろ商店街の店も開いているだろう。
 
 
 そして、僕は……ゴーストタウンにいた。
 いや、ちょっと待て。これはおかしいだろ?出島の中にどうしてゴーストタウンがあるんだよ。
 だけど、見慣れた商店街は、商店の数々は埃に埋もれ、どの店もシャッターを閉めていた。
 いや、開いている店もある、けど……その商品は疎らで人目を惹くような派手さはどこにもなかった。
 開いてる店の傾向もどこかで見た記憶がある。
 酒屋。豆腐屋。老舗っぽい呉服屋。酒屋。文房具屋。シニア向けっぽい服屋。万屋っぽい八百屋。また酒屋。
 若い派手な層の喜ぶ店が一件も無かった。本屋もレコード屋も菓子屋さえも無い。
 ま、さか。
 ある記憶が僕の脳を揺さぶる。
 これは、まさかアレなのか!?
 僕はシャッターの閉まった商店街を走り向ける。
 ぶつかる人なんかいない。人はほとんどいない。買い物客は皆無だと言えた。
 商店街を抜け、大通りに向かう。
 どこだ。アレはどっちにある?
 あった。
 見覚えのある案内板があった。
 デパートのROHANの飾り文字が赤く禍々しく描かれている。
 後に大手のフタイ百貨店に吸収されるデパートのROHAN、ロハンだった。
 デパートのロハン、ソダツ、ジェッツの三社は地元の商店街を駆逐しつつ店舗を展開し、最終的には経営破綻から業界最大手のフタイ百貨店に吸収合併される。多くの店舗を閉店されながら。
 だが、それはまだ未来のことだ。
 いまはまだ地元商店街を駆逐しながら悠々と店舗経営をしている。
 僕は歯噛みしながら遠くに見える郊外型の店舗を見据える。
「また……手前らか」
 商店街に義理はないが、なぜか僕はこの郊外型の店舗が大嫌いだった。
 嫌いなのに他に店がないから使わないといけないのがもっと嫌だった。
 粗悪な外国ブランドを多く取り入れているのも嫌いな理由だった。外国の品でもちゃんとした物はあるのに、粗悪な品を安く売っているのが大嫌いだった。
「ふっ」
 軽く息を吐いて、両手を腰にやる。
 まぁ、ここで僕が腹を立てても仕方がないので、気持ちを切り替える事にする。
 デパートならファーストフードの店かフードコートがあるだろ。どこか適当な店で腹拵えでもしようっと。
 ま、商店街のお店には悪いが、潰れたのは経営努力の無さの結果だ。
 現に老舗っぽい呉服屋や豆腐屋は元気に店を開いてたし、他の店もそうだ。開いてる店はそれなりに工夫なり努力をしているんだろう。酒屋が潰れないのは謎だけど。
 どっちにしろ僕には関係がない。
 それに違和感があるけど、これは実際にあった事なんだから仕方がないんだろう。
 時代が追い付いただけの事だった。
 
 
 フードコートじゃなくてオープンカフェ風のハンバーガーショップ「ザクザクバーガー」で、野菜いっぱいのダブルチーズバーガーとフライドポテトとシェイクのセットを頼んだ。
 トマトにレタス、それにダブルでハーフパウンドになる大型のハンバーグが目玉のデブ御用達のセットだ。勇者はこれに分厚いパイナップルを追加するのがお約束だった。
 ちなみにバンズがズレないようにプラスチックの串で全体を刺してくれるのは、ザクザクバーガーではこのサイズのハンバーガーからだった。
 あ、ちなみに僕は勇者じゃないのでパイナップルは無しです。
 ほんと久しぶりだなぁ。この真ん中がズレてるのに串で刺しちゃってるのが懐かしくて泣けるぜ。
 朽木もアンパンばっか買って来ないで、こうゆうのを買って来いと言いたい。
 フライドチキンもいいよな。コールスローとかコーンのサラダも食べたいよなぁ。
 ハンバーガーを食べながら懐かしい味を思い出し、僕は食欲を一段と刺激される。
 今度、朽木に買って来させるかな。ここまで来るの面倒だしな。でも、僕ってこんなにファーストフードの味が好きだったっけ?
 生前の記憶でハンバーガーショップとかの情報があったってことは、ある程度は好きだったんだろう。でも、それよりも手作り感の溢れるパンが好きだった理由はどうしてだろう?
 一頻り首を傾げ……わからんと僕は考えるのをやめた。
 ハンバーガーを一旦置き、ポテトに手を伸ばす。このカリカリのポテトも懐かしいよな。ジューシーさは皆無で、乾燥ポテトかよって笑いながら食べたよな。
 シェイク片手にポテトを一本ずつ食べる。シェイクを置き、両手でハンバーガーを掴み上げ、おもむろに齧る。女の子顔以上のサイズがあるから食べ応えがある。
 と、食べ掛けのハンバーガーの向こうに見知った風紀委員がいるのが見えた。
 ドSじゃねえか。
 いや、ちゃんとした名前っていうか正式名称知らないけど、僕が勝手にドSって呼んでいる風紀委員がオープンカフェに入って来ていた。
 他の客がいない店の中を白々しく見渡してから彼女は僕に近付く。
 いや、落ち着け。今はこの姿なんだ。僕だって気付くはずがない。大丈夫だ。冷静になるんだ。
 僕はハンバーガーで顔を隠し(でっかいバーガーで良かったぜ)、ドSをやり過ごす。やり過ご……ってなんで真正面に立っているんですか!?
「随分と旨そうな物を食べているのだな。どうだ……旨いか?」
 僕はハンバーガーで顔を隠しながらドSの様子を伺う。それに何気に手汗も気になっていた。
「なんとか言ったらどうだ?ナンバー……10524」
 ナンバー!?ナンバーってなんだよ。何のことを言ってるんだ???
「おや、君は知らなかったのかな?我々風紀委員はそれぞれナンバーが与えられ、発信機が身体に埋め込まれているのだよ」
 マジですか!?僕は思わずハンバーガーを落としそうになる。絶対に落とさないけど。
「ある程度距離までしか使えない近距離用の信号が出ているのだよ。ちなみに、君のその身体からは10524号の信号が出ている。まぁ、多少……見た目が変わっているようだがな」
 ドSは僕の向いの席に腰を下し、じっと僕の食べているハンバーガーを見る。いや、僕の顔を見ているのか?
「随分と……旨そうな物を食べているな。どうだ。それは……旨いかい?」
 目を細め、最初の言葉をドSは繰り返す。
「食べたいのなら……買って来ましょうか?」
 自分で買って来いと言いたかったが、僕の本能が下手に出ることを選んでいた。
 絶対に逆らうな。そう僕の心が叫んでいる。殺されたくなければ、絶対に逆らうなと。
「そうだな。では……遠慮無く、頂こうかな」
 僕はゆっくりと手に持っていたハンバーガーをトレイに戻し、「じゃ、買って来ます。同じのでいいですよね?」とテーブルを立つ。
「ふむ。……シェイクはストロベリーにしてくれないか。あの期間限定のがいいな」
 ドSはオープンカフェの壁に貼られているポスターを指差して言った。
 それを目で確かめて僕はカウンターへ足を向ける。いっつも同じ日を繰り返しているのに期間限定も何もないだろうに。でも、あれか。同じ日でも曜日が違うんだから、季節も変わるのかな?長くこの世界に住んでいるヤツに今度聞いてみよう。
 っていうか、相変わらず甘いのが好みっぽいな。ドSの癖に。

CAROL
 
 
 粉雪の降り出した空を見上げ、和也は溜息をついた。
 サンタの衣装は分厚く寒さは感じなかったが、イヴの夜にバイトをしている現実が寒かった。
「くそっ。何で、おれがこんな事をしなきゃなんないんだ」
 ケーキ屋の24日だけのアルバイト募集の張り紙を見て、店の戸を叩いたのは昨日の夕方だった。
「朝の早い仕事だから、人が集まらなくてねぇ」
 笑いながら人の良さそうな店長は、こう言葉を続けた。
「その分、終わるのも早いからね。3時にはあがれると思うよ」
 騙された。和也は、何度目か判らなくなるほど繰り返した言葉を、心の中で呟いた。
 昼過ぎから、お客が増えて来てケーキを追加で作りだし、出来上がったのが4時だった。店長の奥さんと娘さんだけでは客を捌けなくなっていたので、頼まれるまま包装を手伝っていたら5時を過ぎていた。
 恋人の杏子との約束の時間まで30分弱しか無かった。
 急いで、杏子の携帯に電話をすると「何で、こんな日にバイトするよ!」と、怒りながら電話を切ってしまった。
 客足が減ったので帰ろうとすると、店長が「このままじゃ……ケーキがあまっちゃうねぇ」と言いながら近付いてきた。手には、ケーキ半額の文字と店の名前が描かれたプラカードと、商店街の略地図が書かれたチラシを持っていた。
「最初から、そのつもりだったんだ」
 杏子にふられてヤケになっていた和也は、店長の頼みを面倒臭そうに引き受けたのだった。
 
 
 和也は残り少なくなったチラシを持った左手の時計を見た。もうすぐ、7時だった。
 店長が、帰って来ていいよと言っていた時間だった。
 長い元町の商店街を、プラカードを肩に和也は歩き出した。
「ねぇ、お兄ちゃんはサンタさんなの?」
 不意にズボンの太腿を捕まれ、和也は振り返った。
 そこにはふわふわしたフードの付いた赤いコートを着た女の子がいた。
 丸いくりくりした目で、和也の顔を見ている。
「お兄さんは、アルバイトだから本物のサンタさんじゃないよ」
 和也は言いながら、白い付け髭を外した。女の子は一瞬、驚いたが嬉しそうに笑った。
「ねぇ、おじいさんを探して」
 迷子か?
 和也は、回りにそれらしい人物がいないか首を巡らした。しかし、子供を探してるような人物はいなかった。
 当り前か、この位置からわかるなら、この子が気付くよな。
 和也は少女の前に座り、その顔を覗き込んだ。
「じゃぁ、お巡りさんのとこに行こうか。お兄さんはもう帰らなきゃいけないんだ」
 少女はふるふると首を振り、和也の手を握った。
「だめだよ。お兄ちゃんじゃなきゃ探せないよ」
 そう言って、和也の手を引いて歩き出した。仕方なく、和也は少女の後を付いて行く。
「探すのはいいけど、君のおじいさんはどんな服を着てるの?」
 和也の質問に、少女はくすくすと笑い出した。
「お兄ちゃんと一緒に決まってるじゃん。サンタさんだもん」
 和也は、老人がサンタの格好でプラカードを持ちチラシを配っている姿を想像して、少し悲しくなった。しかも、老人は子供を預ける事も出来ず、寒い空の下に連れて来ていたのだ。
 日本の不況もここまで来たか。
 和也は、明るく振舞う少女に何か出来ないかなと考えたが、今の自分に出来る事は、この子のおじいさんを見つける事だけだなと納得した。
 道を歩きながら少女に、どこから来たのか、どこでおじいさんがいなくなったのか、家の電話番号とか憶えてないのか、色々と聞いたがはっきりした答えは帰って来なかった。
 少女に手を引かれるまま進む内に、和也はバイト先のケーキ屋の前に戻っていた。
「あのね、お兄さん着替えて来るから、ここで待っててくれる?」
 和也の言葉に少女は大きく頷いた。
 少女を店の横に立たせ、和也はケーキ屋に入って行った。
 
 
 和也を迎えたのは、ケーキ屋の娘だった。
「お帰りなさい」
 店には最後のケーキが残っているだけだった。
「バイト代は預かってますから、先に着替えて下さい」
 暖かい缶コーヒーを渡しながら、娘は微笑んだ。
「店長と奥さんは?」
「もうすぐ帰って来ると思うけど……」
 答えながら、少女は店を片付け始めた。
「気にしないで終わって下さいね」
 和也は「まぁ、いいか」と呟き店の奥に行った。
 着替えを終えて、缶コーヒーを手に店に戻ると少女が中で待っていた。
「和也さん、ダメじゃない。こんな小さい子を外で待たせちゃ」
 最後のケーキを箱に詰めていた手を止め、娘は和也の顔を見て言った。
「え……あぁ、迷子なんですよ。その子」
「関係ありません。外で待たせたのは和也さんでしょう」
 意外にきつい口調で言われ、和也は肩を竦めた。
「私も一緒に探す約束しちゃったから、一緒に行きましょ」
 ケーキの入った箱を少女に持たせて、娘は店を出てしまった。
 和也と少女が店を出ると、娘は鍵をして少女の手を引いて歩き出した。
 ケーキの箱を娘に渡し、少女はにこにこと笑っている。
「お店いいの?」
 和也が聞くと娘は振り返りにっこり笑った。
「せっかくのイヴだもん。私もクリスマスを楽しんでも良いはずよ」
 ねぇ、と娘は少女に同意を求めている。
「うん。楽しいね」
 自分の立場がよく解ってないのか、少女も明るく笑っている。しかし、少女のおじいさんを見付ける事は出来ないまま三人は歩き続けた。
 和也と娘が回りをきょろきょろと探しているのに比べて、少女は空ばかり見ている。
 ふと、和也が一軒の店の前で立ち止まった。
 杏子のプレゼントを買おうと思っていた店だった。ショーウィンドーに飾られた腕時計を見ながら、和也は杏子の事を思い出していた。
「彼女にプレゼント?」
 娘に聞かれて、和也は小さく首を振った。
「さっき、フラレちゃってね。だから、今日の予定は何も無しだよ」
 自分のおどけた声を聞きながら、和也は余計に寂しくなっていた。
「まさか……バイトが終わるの遅くなったから?」
 ショーウィンドーに映る和也の顔を見ながら、娘は聞いてきた。
「いや……多分、長続きしなかったと思うから」
 自嘲気味に笑う和也の手を、少女が強く握り締めた。
「そうだ。名前聞いて無かったよね。私は由美っていうの」
 娘の名前を初めて聞いた事に、和也は自分で驚いた。
「あ、俺……、僕は内藤和也です」
 戸惑い気味の自己紹介を聞いて、由美はくすくすと笑っている。
「朝、聞きましたよ。君じゃなくて彼女に聞いたの」
 由美は腰を落とし、少女の顔を覗き込んだ。
「あたし?あたしはキャロル」
 外国人の名前を嬉しそうに言う少女に、一瞬、戸惑ったが和也と由美はお互いの顔を見てにっこりと笑った。
 そうか。……今日はイヴだったんだ。
 後、3時間でクリスマスになろうとしていた。
 
 
 その後、由美は家に帰りが遅くなると電話をして、三人の探索は続いた。
 粉雪は、柔らかい物に変わり降り続いている。
 キャロルは二人の言う事をよく聞いたので、人を探すという行為に疲れる事は無かった。
「ねぇ、もっと空の見える所に行きたい」
 三人でベンチに座り、缶コーヒーを飲んでいるとキャロルがぽつりと言った。
「ここからだと……メリケンパークになるのかな」
 由美の問いに和也は缶に口を付けたまま頷いた。
「そこに行きたい!ねぇ、行こう」
 キャロルは、場所も知らないのに先に走り出した。反対の方向に行こうとしたキャロルを和也が連れて戻ると、由美は少女のフードに積もった雪を指先でぱらぱらと落とした。
 由美はキャロルの手を引き、先に歩き出した和也の横に並ぶ。
 和也の横顔をじっと見詰めていたが、強引にその腕を取った。腕を組み、その肩に頬を寄せる。
「こうしてると恋人同士みたいだね」
 照れたように横を向いたまま、由美が囁く。
「でも、子供連れだよ」
 前を向いたまま、和也は言った。
 キャロルが由美の手を放し、二人の前に走り出した。おどけた仕草で振り返り、二人に微笑み掛ける。
「メリークリスマス!」
 右手のホテルの窓に大きくその文字が灯っていた。
 日付が変わったのだ。
 立ち止まる三人の上に降り注ぐ柔らかい雪と静かな鈴の音。
 そして、その空を長い軌跡を引いて滑るトナカイに引かれた艝。
 和也と由美はぽかんと口を開け、空を見上げた。
「あ!おじいちゃんだ!!」
 キャロルは誰もいない公園を走り出した。真っ直ぐなキャロルの足跡だけが雪の上に残っていく。
 そして、舞い降りた艝の上には、赤い服とお揃いの帽子、白く長い髭を撫でながら微笑んでいる老人の姿があった。
 誰もが子供の頃に聞かされ夢に描いたそのままの姿で、老人はキャロルを抱き上げ、二人に近付いて来る。
「メリークリスマス。孫がお世話になってしまいましたな」
 キャロルに優しく頬を寄せながら、老人はにこにこと笑っている。
「ゆっくりと御礼をしたいが、今日は一年で一番大事な日でしてのぉ」
 老人を前に、和也も由美も何も言えず立ち尽くしている。
「このお兄ちゃんもサンタクロースだったんだよ」
 キャロルが老人の髭を引っ張りながら、はしゃいでいる。
 和也が何か言おうとした時、トナカイが二度ひづめを鳴らした。
「おぉ、もう時間が無い。世界中の子供達が待っているのです。どうか非礼をお許し下さい」
 そう言うと老人は手袋を外し、右手を差し出して来た。
 和也と由美は老人と握手を交わし、自分の手の平に残った暖かさを確かめるように握り締めた。
「キャロル。これ……後で食べてね」
 由美が、お店から持って来たケーキを渡した。
「うん。ありがとう。お姉ちゃんも元気でね」
 老人は、二人に礼を言い背を向けた。
 老人に抱かれたまま、キャロルは何度も手を振っている。
 キャロルを先に艝に乗せ、老人は手綱を手に取った。
「さぁ、次の国にやってくれ」
 大きく優しい声でトナカイに話し掛けた。
 不意に和也が艝に向かって走り出した。
 艝は徐々に地上から浮き上がって行く。
「キャロル!どうして僕に話し掛けたんだい。君は僕じゃないとおじいさんは探せないって言ったよね」
 もう高く舞い上がってしまった艝から、キャロルの声が聞こえて来た。
「忘れちゃったのぉ?お兄ちゃんはおじいさんからプレゼントをもらった事があるでしょうぉ。だから、一緒に探してもらったのぉ。ありがとうねぇー」
 そして、もう見えなくなった艝を引く老人の高らかな声が夜の街に鳴り響いた。
 
 
「メリークリスマス!!」

……carolをUpするのを忘れてた。
途中になってる小説のUpは諦めるとして、他にもう忘れてないだろうなw 
 
 
 
 
 
さて、あれって童話になるんだろうか?

小説が書けてません。
詳しく理由を書くと愚痴や文句や恨みごとになるので書きませんが。
 
iPhoneの新しいの出ましたね。
6とかPlusとか。
千円札の大きさだとか一万円札の大きさだとか。
でも、今回のはちょっといいかもと思いました。
5を持ってる知り合いは「これ以上でかいのはいらん」とか言ってましたけど。
私個人としては、中途半端な大きさよりも一思いに6Plusくらいのがいいと思います。
ま、どんなケースを着けるかによるのかな?
私はジーンズのポケットに入れば、それでいいやの人なのでw


 
 
 優しい手。
 甘い髪の香り。
 穏やかな瞳。
 静かな言葉。
 柔らかな唇。
 鏡に映るあなたの横顔。
 震える指先。
 暖かい肌。
 掠れるような悲鳴。
 止まる事の無い熱さ。
 乱れた鼓動。
 墜ちる世界。
 時計の音。
 窓の外の雨。
 胸の奥の痛み。
 終りを告げる溜息。