童話

CAROL 粉雪の降り出した空を見上げ、和也は溜息をついた。 サンタの衣装は分厚く寒さは感じなかったが、イヴの夜にバイトをしている現実が寒かった。 「くそっ。何で、おれがこんな事をしなきゃなんないんだ」 ケーキ屋の24日だけのアルバイト募集の張り紙…

おばあちゃんのヨーグルト。2.01 夏休みの午後は暑いです。 縁側で転がりながらショーコちゃんは扇風機が運ぶ風に笑みを浮かべます。 頭を優しく撫ぜるようにタマのしっぽが髪に触れ、それが心地良く、静かに目を閉じる。 「ショーコ、お遣い行ってくれるー…

おばあちゃんのヨーグルトん。 猫の肉球を押すと爪が出る。んで、出た爪の長さを手に持った定規で測る。 「むぅ。このつめのするどさはほんものだぜ」 縁側で転がりながらショーコちゃんは言います。 とても暑い日の午後の事です。 お昼ご飯に素麺を食べ、そ…