薄紅 都会の片隅の……そう、街とは言えないような片隅のアパートの一室で、私は出勤の準備をしている。 小さな鏡の前で薄く化粧をし、口紅を引く。 ティッシュを一枚、軽く唇に当て、母の手紙を思い出していた。 新米と一緒に送られて来た手紙。 今年の二月、…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。