中洲中尉が『空飛ぶ黒猫亭』のメインブリッジに入った最初の印象は……女性スタッフが多いな、だった。
 ざっと見渡した感じ、男は中央に立ち中洲中尉と那岐美鈴を迎えた花房博士と、奥のオペレーター二人だけだった。女性は中央の三人に壁際の通信兵の少女を除けても、十人以上は確実にいる。が、出入りが激しいので正確には数えられなかった。
 いや、それよりも、と中洲中尉は視線を前に戻す。そこに、それ以上に気になる二人が立っていた。
 一人はショートカットの小柄な少女だった。
 ダークグレイの校章の入ったブレザーに、同色を基本にした細かいチェックのスカート、中に着ている白いブラウスの襟を飾るのはリボンタイという……私立校を髣髴とさせる制服姿だった。
 綺麗な目鼻立ちをしているが、氷のような無表情で美鈴を見ているのが中洲中尉は気に入らなかった。
 もう一人は、グラビアアイドル級の豪奢なボディの持ち主で、一目で天然物だとわかる栗色の長い髪をアップにしていた。
 柔らかい生地の白い開襟のブラウスに黒いタイトスカートを履いている。身体とは反比例する幼さの残る顔に、ちょこんと小さな眼鏡をしているのが愛嬌があった。が、それ以上に黒のパンティストッキングと、微かにブラウスを透かして見せる凝ったレースをあしらったブラが、歳に似合わない色気を醸し出していた。
 お近付きになるなら、断然こっちだな。
 中洲中尉は、じっと女教師風の服装を着ている沙希を眺めている……ので、横に立つ美鈴が拗ねたように頬をぷくっと膨らませているのに気付いていない。
 
 
[萌えろ!合体美少女 茄子椰子] 
第二話 許されざる少女たち―中編―
 
 
「ようこそ、『空飛ぶ黒猫亭』へ」
 白衣のポケットに両手を入れたまま、穏やかな笑みを浮かべて花房博士が言う。
 史上最凶最悪のマッドサイエンティストと言われた男の第一印象は……予想に反して“優男”と言う物だった。
 痩せ過ぎではあるが、細面の中にある顔は端正な物で、無造作に流された長い髪もこの男には似合っていた。舞台俳優でも通じそうな長身で、手も足もバランス良く長い。
そして、錆のあるよく通る声をしていた。
 ただ……気になるのは、その目だった。睫毛が多いのか、目の縁が黒く、その中で色の薄い瞳が全く揺らぐことなくこちらを見ている。正に、知性と狂気を孕んだ目だった。
「私の名前は花房貴博。普通に博士と呼んでくれたまえ。こちらはNUSCOCONATS‐MarkⅡのユニットの搭乗者、七瀬あきら君と九条沙希君だ」
 九条沙希と紹介された少女は、
「よ、よろしくお願いします」
 と頭を下げ、サイズの合っていない眼鏡を落として、「ああぁー!」と小さな悲鳴を上げて慌てて広い、七瀬あきらと紹介された少女は半身で顔だけを美鈴に向けたまま、表情も姿勢も微動だにせず、じっと黙っているだけだった。
 そんなあきらの態度を無視して、
「那岐美鈴です。よろしくお願いします!」
 ズパッと音がしそうな勢いでお辞儀しながら、美鈴は自己紹介し、眩しいほどの笑顔でにっこりと笑う。
「あきら、九条君、こちらの那岐美鈴君には、オレンジペコに搭乗してもら――」
「ダメ」
 花房博士が話しているのを遮り、小さいが、確固たる拒絶の声をあきらが出した。
 そのあきらの態度に花房博士は目を細め、じっと次の言葉を待つ。
オレンジペコ芽衣の物だから、他の誰にも触らせない」
 真っ直ぐに花房博士を見ながら、あきらは言う。
 その反抗的な態度に、花房博士が穏やかなポーズを崩さないのは……織り込み済みだったな、と中洲中尉は見る。
「あなたはシナモンアップルに乗ればいい。……オレンジペコには、あたしが乗る」
 美鈴を振り返り、淡々とあきらは言い、つぃと視線をメインディスプレイへと向ける。
 メインディスプレイには、ルイン・コフィンの落下予定地の周辺地図と、落下までの予測時間がカウントダウンで表示されていた。
「……わかった。では、オレンジペコにあきらが、シナモンアップルには那岐君が、ストロベリフィズには、以前のまま九条君が搭乗してくれ」
「あ、博士!あたし、君付けじゃなくていいですよ」
 明るく美鈴が言い、その物怖じしない言葉に、ひょ?と珍しく花房博士は驚きの表情を見せる。
 その博士をちらり、と振り返り沙希が、
「あたしも……沙希って呼び捨てにしてもらったほうが――」
 頬を赤く染めながら、もじもじと言った。
「……冗談は止めたまえ、九条君」
 冷たく花房博士は言い、その釣れなさに沙希は「あぁん」と身悶えする。
「ルイン・コフィン接触まで5000を切りました」
 女性オペレータの声に、花房博士は頷き、三人の少女を力強い目で見る。
「よし!時間だ。あきら、那岐、九条君!戦いの始まりだ。那岐には女子力エンジンとNUSCOCONATS‐MarkⅡの説明をもう少し受けてもらうが……君たちは先に搭乗して待っていてくれたまえ。行くぞ!!」
 大きく息を吸い、花房博士は左腕を右肩の上に振り被る。
「萌え上がれ!戦場の美少女たちよ!!NUSCOCONATS‐MarkⅡ!!発っ進!!!」
 白衣を翻し、花房博士は叫んだ!
 それを聞き、先頭を切って走り出した沙希が開き切っていない自動ドアにぶつかり吹っ飛んだ。
「あぁん……眼鏡、眼鏡」
 四つん這いになり、沙希はタイトスカートに包まれお尻を振りながら、必死に眼鏡を拾う。開襟の胸元を、たわわに覗かせながら……。
 
 
 長い廊下を早足に歩きながら、花房博士はあの日も歩きながら説明していたな、と考え……頭を振って、その雑念を振り払う。保護者意識に取り付かれた中洲中尉も一緒にいるところで、無様な真似は絶対にできなかった。
 しかし……会って数時間で、この無骨そうな男を虜にするとはな。いや、無骨な男だからこそ、那岐がその内面に持つ献身的な匂いに惹かれたのか?それとも、この健康的な容姿が勝ったのか?……どちらにせよ、逸材には変わりない。
 薄い笑みを浮かべながら、花房博士は前を向いたまま説明を始める。
「先ず知っておいてほしいのは、各ユニットには合体に必要なパーツ以外はほとんど積み込まれていないと言うことだ」
「えと、それって???」
 花房博士の言葉に、美鈴は中洲中尉を振り返る。が、中洲中尉にも花房博士の言葉の真意はわからなかった。
「だから、女子力エンジンはユニットには積まれていないと言ってるんだ」
「そうなんですか?」
「うむ。女子力エンジン本体は『空飛ぶ黒猫亭』の中にあり、エネルギーだけを常時ユニットに転送するシステムを取っている」
「すごいんですね」
 そこにどんな理論と技術が存在しているのか想像もできないが、すごいことだけは美鈴にも理解できたので、そのままな感想を彼女は口にしている。
「うむ。何故こんな説明をしているかと言うと、ユニットの操縦に深く関わることだからなんだが……」
 花房博士は横を早足に歩く美鈴をちらっと見て、また視線を前に戻した。
「ユニットは搭乗者の意思をトレースして操縦される。操縦桿は左右に一対あるが、それは全くの飾りだ」
「え?」
「意思の伝達の助けにはなるが、な。逆に精神力が強ければ、搭乗する必要さえもなくなる……それがNUSCOCONATS‐MarkⅡであり、各ユニットの最大の特徴だ」
 前を歩きながら、花房博士は一瞬だけ唇を噛む。
「だが、それが両刃の剣となることもある」
「え?」
「君の前の搭乗者である花房芽衣は、NUSCOCONATS‐MarkⅡと女子力エンジンが作り上げたノイズの介在しない情報のフィードバックに耐え切れず崩壊した」
「花房……芽衣さん?」
「私の妹だ」
「その人……」
「まだ生きている。……が、あれでは廃人同然だな」
 その言葉を聞き、美鈴はピタッと足を止める。
 中洲中尉がその横に立ち止まり、数歩進んでから花房博士は足を止め、ゆっくりと振り返った。
 長く重い沈黙の後、
「いまならまだ引き返せるぞ」
 巨大な扉を背に、花房博士が笑みを浮かべながら言い、美鈴は無意識に中洲中尉の手を求め……
「あ、あたし……」
 その無骨な手を強く握り締め、
「あたし、帰りません!」
 那岐美鈴は声を振り絞るように叫んだ!
 その言葉を合図に、重く響く音を残しながら、巨大な扉が開かれ、その零れ行く光の中に、小さいが機能的なデザインの流麗な戦闘機――ユニット・シナモンアップルが姿を現した。
 
 
 今回の作戦は、ルイン・コフィンの地表接触を待たず、空中で迎撃する――だった。
 通常、衛星軌道からゆっくりと地球を一周し、ルイン・コフィンは地表に堕ちる。
 今までは国境の問題やゴースト・サークルを回避できないことを理由に非協力的だった各国が、今回だけは全面協力を約束して来ていた。
 そして、その大半の国は、
「まだ幼い少女だけを戦わせるわけにはいかない」
 と、軍部からの参戦表明が先行していた。 しかし、ルイン・コフィンの飛来速度は通常の戦闘機で追い切れる物ではなく、結果、全ての国境と制空域を取り払い、各国の第一線の戦闘機が、地球全域でルイン・コフィンの監視を受け継いで行くこととなった。
 アメリカ空軍とロシア空軍の混合部隊と合流した西ヨーロッパ連合部隊が編隊を組み、東南アジアと新設された中国機甲空師団の最新型戦闘機部隊が加わり、各国の管制塔が全てのネットワークを使い、この宇宙からの侵略に立ち向かう戦争を全世界同時中継していた。
 署名と表明だけの地球軍は、すでに存在していなかった。
 いまここに集まっているのは、自分たちの生まれた星を守ろうとする男と女たちであった。
 
 
 ある戦闘機の操縦席でヒゲ面のパイロットが、近くを飛ぶ見慣れない戦闘機にスクランブル通信を使い話し掛けていた。
「なんだよ、お前の国も志願者のみの参加かよ?」
「まぁな。実際のとこ生き残れる可能性はゼロだからなぁ」
「確かに」
 笑いながらヒゲ面のパイロットは言った。
「なぁ、あんた……」
「ん?」
「何で、今回参戦したんだ?」
「いやぁ……うちの娘がな」
「おぅ、娘いるのかよ?美人なら紹介してくれ」
「どあほう!戦闘機乗りに娘をやれるかっ!!」
「ははは。んで、娘がどうした?」
「あぁ。あのロボットに乗ってるお嬢ちゃんと同じ歳なんだわ」
「あー……」
 と、妙に声の若いパイロットは同情的な声を出した。
「指咥えて見てるだけじゃ、親父として格好付かないだろ?」
「確かに。……親父は辛いね」
 ヒゲ面のパイロットは、
「お前さん、結婚は?」
 と聞き、
「戦闘機乗りだから、ねぇ」
 クククと笑いを含んだ声を聞く。
「ふん……む。ところで、お前さんは何で参戦したんだ?」
「俺っスか?」
 10代の娘がいると聞き、若いパオロットの口調が変わっていた。
「おぅ」
「俺は……地球を守りたかった。からかな?」
「なんだ、そりゃ?」
「いや、だって……戦闘機に憧れてたけど、普通の戦争で人殺ししてたんじゃ格好悪いでしょ?」
「かーーーっ」
「なんスか?」
「青臭いこと言うなっつーの。俺まで恥ずかしくなるだろーがっ!」
「でも……ほとんどのヤツがそうなんじゃないですか?」
「ま、確かにな。戦闘機乗りは馬鹿が多いかなら」
「馬鹿でいいんスよ」
「ま、お互い運が良かったら生き残れるだろうから――――っと」
 二機を霞め、信じられない速度でNUSCOCONATS‐MarkⅡの三機のユニットが飛び去り、ルイン・コフィンを追い越し、機首を上に向け、優雅な軌跡を残して戻って来る。
「お!?お姫様の登場だぞ!!」
「んじゃ、マジにやりますか……っと」
「ん?どうした?」
「マジで生き残ったら娘さん紹介してくださいよ」
「お前……俺の娘はまだ14歳だぞ」
「俺だって、まだ18っスよ」
「なにぃ!!?}
「新兵なんスよ」
「よし!わかった。俺の名前はエリック・ジョルニだ。フランス空軍だ。無事に生き残れたら会いに来い。娘を紹介してやる」
「マジっスか!!?」
「大マジだ!ただし!!」
「へ?」
「戦闘機は降りてもらうぞ」
「マジっスか?」
 最初とは打って変わって低いテンションで、
若い戦闘機乗りは答え、通信モードが強制的に切り替えられた。
『こちら『空飛ぶ黒猫亭』です。現在、ルイン・コフィンから過去に観測されなかったタイプの波動を感知しています。全機緊急離脱してください』
 散開していく戦闘機たちをキャノピ越しに見て、エリックは舌打ちをする。
 結局は、あの娘たちだけを戦わせることになるのか?
 コックピットに挿した愛娘であるフランソワの写真を見て、エリックは操縦桿を左に倒し……ルイン・コフィンと呼ばれる宇宙人の卵の表面がバラバラと小さく剥がれ出すのを見た。
「なんだ、ありゃ?」
 散って行く欠片は戦闘機の倍程度の大きさで、ゆっくりと堕ちていく……が、突如そのひとつひとつが意思を持っているかのように加速し、NUSCOCONATS‐MarkⅡの三機のユニットに襲い掛かった。
 編隊飛行を乱され、バラバラに逃げ惑う三機のユニットに無数の黒い欠片が群がって行く。
「冗談じゃねぇぞ!!?」
 機首を戻し、アフターバナーを全開にし、エリックは他の地球軍の戦闘機と共にユニットの援護に入り……ルイン・コフィンから現れた敵機動兵器の本体の放った光弾による無差別攻撃で、友軍機の1/5が一瞬で撃墜されるのを見た。それは自身が放った追い手である欠片さも破壊する完全なる無差別攻撃だった。
「そんな……馬鹿な」 
 驚愕に顔色を無くしながら、堕ちて行く友軍を、未だに圧倒的な数でユニットを追い続ける欠片を避けながら、直接的に援護可能な位置へとエリックは自機を急がせる。
 そして、いつの間にか欠片は巨大なハエに姿を変え、敵機動兵器本体は煌き重なり合うプリズムと化していた。
「どうなってやがるんだ、これは!!?」
 速度差で止まって見える無数のハエを避けながら、エリックが怖気を隠して呟いた。
 
 
 オレンジペコの中で、七瀬あきらは追い縋るハエを振り切りながら、シナモンアップルとストロベリフィズの位置を確認する。が、ほぼ自動操縦である他の二機は、ハエに追い付かれることはないが、その数を減らすことはできそうになかった。
 これでは合体ができない。
 あきらは戦況を分析しながら、最も確実な合体のチャンスを探す。
 
 シナモンアップルの中で、那岐美鈴は初めて見る戦闘に恐怖していた。
 あんな……あんな一瞬で、いっぱい壊された?あれに乗ってた人は???殺されたの?みんな、殺されたの?
 中洲中尉と一緒のときは平気だったGに耐え切れず、美鈴は嘔吐した。吐いても、吐いても、嘔吐は止まらなかった。
 
 ストロベリフィズの中で、九条沙希はあまりの惨劇に祈ることも忘れ、呆然としていた。
 なぜ回避行動を命令された人たちが戻って来たのか?
 こうなることは、わかっていたはずだった。
 自分たち、NUSCOCONATS‐MarkⅡ以外では、ルインに勝てないのである。
 勝てないからこそ、自分たちが戦っているのである。
 花房博士の押し掛け助手であり、NUSCOCONATSのテストパイロットだった沙希には、その理由を嫌と言うほど知らされていた。
――ルインを殺せるのは、その意思だけである――
 物理的な武器は通用しない。
 だからこそ女子力エンジンが必要であり、NUSCOCONATS‐MarkⅡと自分たちが最後の切り札となったのだった。
「逃げて!あなたたちじゃ無理なんです!逃げてください!!」
 叫ぶ沙希の眼前に迫る巨大なハエに、機銃もミサイルも無効と知った戦闘機が自機を直接叩き付ける特攻を仕掛けた。
 そして、あり得ないほどの巨大な爆発と共にハエが砕け散る。
 
 それを見たアメリカ空軍大尉ジョンソン・ベーカルがオープン・チャンネルを開く。
「見たか?」
「ええ。見ました」
「その手があったんですね」
 口々に交わされる言葉は興奮と恐怖に震えていた。
「よし、ジャパンのカミカゼに出来て俺たちに出来ない道理は無い。泣くヤツがいない野郎は付いて来い!!宇宙人のアホどもにフロンティア・スピリッツを見せ付けてやるぞ!!」
「ちょっとジョニー!野郎だけしか言わないのは差別じゃないの?」
「あー、そうさ俺は差別主義者でね。アニー、お前さんは故郷に帰れ」
「なんですって!?」
「こんな時代だ。子供を作るのは何よりも大事な戦いのはずだ。お前さんは美人だからな。良い旦那を見付けて、やりまくって子供を沢山産むことを進めるぜ」
「こ、このセクハラ野郎!!」
「俺は昔っから、セクハラ男さ。知らなかったのか?」
「馬鹿!!良い男なんか、この戦場以外にいるはずないでしょ!!?」
 最後の言葉に返事を返さず、ジョンソン・ベーカル大尉はアフターバーナーを全開にした!
 
 アフターバーナーを全開にした戦闘機が一匹のハエを貫き、次いで激突したハエを巻き込み巨大なフレアと化した。
 唯一の有効手段を見せられ、他の戦闘機が、それに習い次々とハエに特攻を仕掛け出した。三機のユニットを守るため、追い縋るハエたちに向かって、次々と戦闘機が無謀な攻撃を始める。既に散開し戦場から回避しようとする戦闘機は存在しなかった。
 戦場に巨大なフレアが瞬き、消えていくのを、泣きながら沙希は見ていた。
「やめて……もう、やめて……」
 操縦席から身を乗り出し、消えていく光に、散って行く命に手を伸ばす。
「やめてーーーーーーーーーーーーっ!!」
 沙希の悲鳴と同時に、ストロベリフィズが機首を上に向け、限界速度を超え螺旋を描きながら急上昇をする。
 それに追随し、コントロールを奪われたオレンジペコが、シナモンアップルが白い軌跡を描きながら機首を上に向けていく。
 三機は螺旋を描く飛行機雲を残し、蒼天へと消えていった。