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花
今日、一面に咲くコスモスを見ました。
あなたに、この風景を見て欲しいと思いました。
秋の風が、強く花を揺らしていました。
花は、自らが散ることを知っているのでしょうか。
枯れるほどに、焦がれる想いがあるのでしょうか。
人は手折る痛みを知りながら、なぜ花を盗むのでしょうか?
なぜ喜びながら、花を踏み散らすのでしょうか?
今日、あなたを愛している僕を知りました。
あなたに僕の世界を見て欲しいと思いました。
風に揺られ、花はまだ揺れています。
想いを伝えることで、恋は終わってしまうのでしょうか。
痛みにも似た、この狂おしい想いは枯れてしまうのでしょうか。
遠く離れたあなたへの想いだから、汚れずに済むと言うのに。
それでも、あなたに側にいて欲しいと思いました。
花が散り、枯れてしまっても変わらない想いがあるのなら、この胸の奥にある血の雫にも似た想いをあなたに伝えたい。
僕を愛して……。