霜月の白さに見ゆる秋桜
 まだ見ぬ触れぬ君の肌。
 愛し恋しと鳴き唄う。
 
 
 わが身をなぞる指先が、終の逢瀬を待ち侘びる。
 狂えし想い果てぬと言ふ。
 
 
 いま愛しさを言葉にすれば罪となり。
 想い殺せば嘘となり。
 現の夢と耳を塞げば、この目に映る幽玄の月。 
 
 
 君想い、落ちる雫に爪を噛む。
 ひとり身の恋、いまだ終われじ。