発表するかは不明だけど、ずっと決まっていなかった小説のタイトルが決まりました。
『DEAD/ALIVE』に決定しました。
格闘ゲームを思い出すタイトルですが、まぁ気にしても仕方のない事ですので。
まぁ、これでもうもやもやすることもないでしょう。
ほんとはこんな事してないで、さっさとゾンビの続きを書けと自分でも思うんですけどねえ。
書けないんだからしょうがない。
いや、ほんと。

ワカコ酒のススメ。
最近、土井勝さんの言う一汁一菜がいいと思う。
一汁一菜だけで、氏の言う他の意見・・・トーストをお味噌汁の具にするとかは除けておく。
そもそも、一日三十品目一汁三菜は多過ぎると思う。
成長期ならともかく成人したらもうそんなには食べなくてもいいんじゃないかな?
ってか、無理w
それに一品に付きある程度の調味料も使うから塩分過多にもなるし。
ちなみに私の面倒臭がって塩を使わずに調理をするけど、はっきり言って美味しくないです。
あ、でも発酵食品の塩っけはいいと思う。
直接塩を振るよりも身体には優しんじゃないかな。
話を戻すと、一日に三十品目採らなくても一週間や二週間などの長いスパンで三十品目採ればいいと思う。
食事が偏らない目安にはなるんじゃないかな。
朝食は、ほうれん草のおひたし。昼は茄子とひき肉の煮物。夜は鮭のムニエルとか。
これにお味噌汁+漬物or梅干しでもう食事は十分だと思う。
夕食は肉じゃがにしてもいいよね。
ま、一汁一菜でいいとして・・・悩むのが一菜の菜の量です。
一汁一菜がいいと言いながら食べ過ぎてたら意味がないですから。
少なくても良くないと思う。
そこでおススメがワカコ酒です。
ワカコ酒で食べられているおかず一品が一菜にちょうど良いんじゃないかな?
私はお酒は呑まないですが、ワカコ酒で紹介される料理にご飯と漬物が嬉しい組み合わせです。
色んな料理を食べているし。
後、一汁一菜が良いと思うのは、一菜であれば旬の食材を取り入れ易いんじゃないかと思うからです。
一つのおかずを楽しく作って、楽しく食べてるのが一汁一菜の良いところです。
三十品目一汁三菜のどこか似たような料理よりも旬の一汁一菜がいいと思う。
 
ま、あくまで私個人の意見ですけど。

生存報告です。
ま、誰に報告してるんだって気もしますがw
元気ではありません。
病院と家とを往復するだけの生活が続いています。
っていうか、家ではワンコのような生活が続いています。
相変わらず、一日十六宇時間くらい寝ているし。
いや、睡眠時間だけなら猫みたいにというべきか。
何が楽しくて生きているのか自分でも首を傾げるような毎日です。
生きているだけって感じですかね。
しかし・・・文章を書くのは久しぶりなのでキーボードが使い辛いです。
小説を書かなくなって長いのですがこの先どうするかを悩んでいます。
いや、悩んではいないな。
書くだろうと思います。
どうあがいても最終的には書くのだろうと思います。
書いてなくてもネタとか考え続けていますからw
見えているものを文章にするのも楽しいしw
んで、いまの課題は・・・課題?ま、いいや。課題はそこに見えていない人物をどう書くか、ですね。
つまり、通常物語は数人の登場人物で繰り広げられます。
でも、そこに見えていないだけで物語の壁の向こうには大勢の人が生きているはずなのです。
物語の進行上、書かれていませんが、間違いなくいるはずの人々なのです。
街を見れば、何万人何十万人何百万人の人々が生きて暮らしているのを感じる事ができます。
しかし、私のいままでの小説ではそこに何も存在しないかのような文章だったと思います。
もう少し考えたほうがいいなと最近は思うようになりました。
さて、とりとめのない話ばっかりでしたが、今日はこの辺で。

   scene-17
 
 
 ドSの注文を手に戻ってくると、ヤツは堂々と僕のポテトを摘んでいた。
「ちょ、お前、誰のポテトを食べているんだよ?それは僕のだろ!」
 僕の声を聞き、嬉しそうに口を歪めてドSは振り返る。
「おや?君は己の事を『僕』と呼んでいるのかい?」
 しまった。と思ったが、もう遅かった。ドSは目を細めて、いやらしく僕の姿を品定めするように見ている。
「まぁそんなに怒るな。たかがポテトじゃないか。……シェイクを飲んでいないだけまだマシだろう?」
 トレイの上のシェイクを指先で弄びながら、そんなことを言う。ってか、喉が乾いてたら平気で飲みそうで怖いんだよ。
「ほらよ」
 僕のトレイから手を払いのけるようにドSの前に新しいトレイを置く。
「ご機嫌が斜めのようだな」
「誰のせいだよっ!わざわざお前の分を買ってきたのに、なんで僕のポテトが奪われてるんだよ。わけわかんないよ」
「怒るな怒るな。じゃぁ、お詫びに一つどんな質問にも答えてやろう。この宇宙の真実から今日の私の下着の色まで……どんな質問でも、だ」
 ハンバーガーの包みを開けながらドSはそんなことを嘯く。
「ふざけるんな。お前のパンツになんか興味はない」
「おや?このハンバーガーはパイナップルが挟まれていないようだが?」
「だから、僕と同じのでいいかって聞いただろ?僕のを見ろよ。どこにもパイナップルは挟まれていないだろ」
 僕のハンバーガーを見てドSは露骨にションボリと肩を落とす。ってか、パイナップルが欲しかったのか?アレはデブ御用達だ。そんなの食べてたら太るぞ。
 自分の席に座り、ハンバーガーに齧り付く。何度か咀嚼しふと聞きたいことがあったことを思い出す。
「そういや、一つ聞きたいことがあったんだけど」
「なぜ私がお前の疑問に答えねばならんのだ?」
「いや、お前いま何でも答えるって言ったじゃん。言った端から言ったことを忘れてるんじゃないよ。記憶力ないのかよ」
「パイナップルをケチった奴には何も教えぬ」
「どんだけパイナップルが好きなんだよっ!」
 ドSは拗ねたようにぷいっと横を向く。
「ま、とにかく前から気になってたんだ。教えてくれよ」
 仕方なさそうにこちらを向き、ドSはハンバーガーに一口食べる。
「ここに落とされる前に僕はどこかの深夜の街にいたんだ。その……死んだ後でだ」
 ちらりと目を瞼を上げ、ドSは続きを誘う。
「そこには誰もいなくて、いや、僕の前には出てこなかっただけかも知れないけど、とにかく誰の姿の見えなかったんだ」
 シェイクを一口飲み続ける。
「それでちょっと歩いた後で……女の子に出会った。初めて会った子だ。んで、その子に撃たれた。撃たれて殺されたと思う」
 ドSのポテトに手を伸ばし打ち落とされる。諦めて自分のポテトを食べる。
「って記憶があるんだけど、あれって事実なのかな?」
 ズズーッと音立ててシェイクを飲み、ドSは一考しているようだった。が、あっさりと答えた。
「強欲の罪だな。他者から奪い奪われる地獄だよ。君は強欲の罪で……分かりやすく言うと修羅の地獄に落とされたんだ」
「修羅の……地獄?」
「そして、そこで何もしなかったので怠惰の罪で、ここに落とされたのだよ」
「いや、だって、何もしなかったって言われても」
「しなかったのだよ。君は自らが拳銃を帯びているのに他者に撃たれる可能性を考えずにその者の前に立った。それとも、君は何かをしたと言うのか?」
 ポテトを手にドSは言う。
「警戒はしたのか?罠を探ったのか?逃げた?いや、君は何もしなかった。何もせずにただ撃たれて死んだのだ。だから、怠惰の罪でここに落とされたのだ」
「じゃ、ちょっと待てよ。僕はあのとき彼女を撃てば良かったのか?」
「ま、それも正解の一つだな。生き残るための行動だよ。それを一つもしなかったので怠惰の罪でここにいる。ここにいる者は生きるための努力を怠った者だからな」
 ちらりと僕は店員の方を見る。いや、店員はNPCだから違うのか。
「も一個、質問」
「だが、断る」
 あっさりと却下された。こうなったらこいつは口を開かないだろうな。断罪の執行者のこととか聞きたかったのにな。
「しかし」
 溜息を挟み、ドSは言う。
「君といい、あの妹といい、君らはどうして死ねない身体になりたがるのかね?ん、いや、あの妹は違ったか。確か……死体を運び込んだ馬鹿がいたんだったな」
 死ねない身体。……この風紀委員の身体のことか。僕もそうだが、真帆もほぼ風紀委員の肉体だからな。いや、真帆の方が肉体的に風紀委員に近いだろうか。
「グールがゾンビになっているだけで、もう十分に死に難いというのにな」
 え?
「何を言っている?」
「ん?ああ、君らは知らんのだったな。ここにいるゾンビは元々はグール、屍食鬼なのだよ」
 ドSがシェイクを飲み続ける。
「人を襲い、殺し、その死肉を喰らう鬼だよ。鬼というだけあって、その運動性能は人を凌駕している。何しろ、君ら生徒はたった一匹のグールも未だ殺せずにいるのだからね」
「たった一匹のグール?」
「君らが大仰にも断罪の執行者と名付けているそれだよ。あれはこの世界で……今のところ最後のグールだよ」
 ドSが言うには断罪の執行者はグール、屍食鬼、餓鬼と呼ばれる者であり人の常識を超えた頑丈さがあるらしい。
「何しろ、君らの遭遇レポートを読めば、やれ、バズーカで粉々にしたのに仮面だけで追い掛けてきただの、何もないところに仮面だけが浮かび、見えない攻撃をしてきただの」
 呆れたようにドSは両手を上げる。
「そんなホラーな存在がいるはずがないだろう」
 いや、この世界そのものがホラーだろうが。
「あれは君らの常識が見せている錯覚だよ。バズーカで撃たれれば粉々になる。銃で撃てば傷ができる。高いところから落ちれば肉体が破壊される。そんな人の常識が見せる齟齬があれの不死身の正体だよ」
「え?じゃぁ……」
「そう。正しく見れば、あれは何も破壊されてはいない。あれは無傷で立っているのだ。ま、付けていても、せいぜいかすり傷程度だろうね」
 無傷。あれだけの攻撃を受けて無傷だと?
「まぁ。たった一匹のグールでもあれだけの戦闘力なのだよ。もし、それが無数に群れて襲いかかってくれば……想像付くだろう」
 ドSはハンバーガーを食べ終わり、丁寧に包み紙を畳む。
「一瞬で、この世は地獄さ」
 そう言い、何がおかしかったのか。ドSは自嘲気味の笑みを漏らす。
「ふっ……地獄、か」
 シェイクとポテトの袋を持ちドSは立ち上がる。
「あぁ、そうだ。時間があれば以前君が入院していた、じゃない。そう出島の中央にある総合病院に行くと良い。今は市民病院と名前を変えているところだよ」
 くすくすとドSは嫌な感じに頬を歪め言う。
「三階に嫌なものがあるよ。私のような地獄を愛するものにとっては悪夢のような光景が見れると約束しよう。では、また会おう。ハンバーガー、美味しかったよ」
 派手なウインクをしてドSは立ち去る。が、はっきり言って二度と会いたくないね。ハンバーガー代を返せと言いたい。僕のお金じゃないけど。
 僕は自分のトレイとドSのトレイを重ねて片付けようと振り返る。
「と。それと」
 背後にドSが立っていた。
「ぅわっ!」
 驚いた僕は、派手にトレイの上のものを床にぶち撒ける。
「言い忘れたが、死にたくなったらいつでも来たまえ。特殊なウィルスを仕込んだ徹甲弾が我々の装備にあるからね。風紀委員を殺すためのものだよ。だから……たっぷりと苦しみながら死ねること請け合いだよ」
 空になったトレイを手に僕は眉間に縦皺を寄せる。
「では、また会おう」
「やだねっ!」
 ゴミを拾いながら僕は罵る。誰があいつに好き好んで殺されるんだよ。絶対に嫌だね。あいつのことだから嬉しそうに笑いながら殺しに来るに決まっている。
 そんなのは、絶対に嫌だった。
 
 
 午後になって僕は市民病院に向かった。
 ドSの言う通りにするのは癪だったが、まぁ……することもなかったので、軽い散歩気分の暇潰しだ。
 午前中で診察受付は終わっていたが患者の姿はまだちらほらと見える。暇そうなじーさんやばーさんの姿が目立つ。ってか、すっげえ元気そうなんですけど。
 言うことを聞かない孫娘をなんとかしたいとか言いながら、どうみてもやに下がってますよね。携帯電話の写真を自慢気に隣のお爺さんに見せながら「困った。困った」と繰り返している。
 困っているのは隣のお爺さんだろう。ってか声がでかいんだよ。聞きたくないんですけど、そんな孫自慢。
 横を通るときにちらっと携帯電話をみたけど、生憎と孫娘の写真は見えなかった。
 待合室の注目を集めるお爺さんはそろそろ声量に気を付けなければ看護婦さんに怒られるぞ。ほら、向こうでにこにこと微笑んでいらっしゃる。
 エレベーターの上を押し、来るのを待ちながらお爺さんを見る。孫自慢がどう移ったのか奥さん自慢に変わっていた。しかも携帯電話の写真を隣のお爺さんに見せているっぽい。
 携帯電話に写真とかどんだけ奥さんが好きなんだよ、じーさん。
 エレベーターが来て、僕は乗り込み、三階を押す。
 と……え?
 お爺さん?
 心に浮かんだ疑問に顔を上げる僕の前で、エレベーターのドアは静かに閉まった。
 いや、おかしいだろ。
 なんでお爺さんがいるんだよ。そんなはずはないだろう。生きている人は学生でNPCも中年までのはずだ。
 明らかに今のお爺さんは老人だぞ。どう若く見ても六十歳は超えている。
 なんで、なにが起こっている?
 そして、僕は気付く。
 病院の三階。それは産婦人科がある場所だと。
 産婦人科
 いやいやいや。ないないないない。あの産婦人科だぞ。
 あり得ないだろう。
 チーンと軽いチャイムの音と共にドアが開き、僕は三階に下りる。
 消毒液の匂いに混じって、微かに魚とは違う生臭さがある。芳香剤で隠してあるが動物的な獣臭さというか迷いようもない肉の臭いがあった。
 ナースセンターの奥にガラス張りの部屋があった。看護婦さんが暇そうにのんびり仕事をしているその部屋には「新生児室」と表記がされていた。
 中には、やっぱり赤ちゃんがいるんだろうか?
 確かめる勇気が僕にはなかった。
 ここで、地獄で、子供が産まれる?
 絶対にあり得ないことだった。
 ここに人は落ちてくるんだ。産まれるんじゃない。ここに、地獄に落ちてくるんだ。
 産まれる?産まれたっていうのか?じゃ、どうするんだ?人は……寿命が来て死ぬのか?
 人は生まれ、死ぬのか?まさか。そんなの……まるで現世じゃないか?
 呆然とする僕の横をすり抜け、一組の男女が新生児室の前で立ち止まる。
「見て下さい。これが新生児……赤ちゃんですよ。可愛いですねぇん?ほぉ、これはこれは。可愛いですね」
「なぜ言い直したんですか。っていうか、気持ち悪いです。ガラスに触れないで下さい。公序良俗に反します」
 ガラスに触れようと伸ばした手を止め、うっとりと男は呟く。
「こんなにも愛らしいのに……私にはガラス越しでも触れるな、と貴女は言うのですか?」
「見るのもやめて下さい。赤ちゃんが腐ります」
「大丈夫ですよ。防腐剤は十分にあるはずです。何しろここは病院なのですよ」
「どうして病院に防腐剤があるのかはともかく、赤ちゃんに防腐剤を使わないで下さい」
 藤堂史郎時貞と北条真帆の二人だった。どうやら視察に来ているらしい。
「でも、どうしいてここに来て赤ちゃんが生まれ出したんでしょう?」
 真帆が藤堂に尋ねる。
NPCの老化や火葬場が発生すなど、まるで人が死ぬ準備がなされているようです」
「時間……二種の時間の流れが同時進行していると考えられますね」
「二種?」
NPCの生まれてから死ぬまでの時間と生徒たちの止まった時間です」
 でも、と藤堂は続ける。
「それらの時間の流れが何を意味するのかは分かりません。どうして二種の時間の流れが必要になったのかも分かりません」
 遠くに眺めている僕の目には藤堂の背中は小さく見えた。
「それでも新しくなったこの世界で、私は貴女に生きて行って欲しいと思うのです」
 ピクッと僕はその言葉に顔を上げる。
 生きて行って欲しいだと?
 そう思った瞬間、つい、と真帆が僕を振り返った。
 しまった。瞬間的に殺気を出し過ぎた。いや、ここで殺気を抑えるのも不自然だ。少なくとも隠れる場所のないここだ。振り返った真帆の目には僕の姿がばっちり見えている。
 どうする?
 幾千の選択肢が一瞬で僕の脳裏を駆け抜けた。
 真帆が僕に近づこうと一歩踏み出した瞬間――
「ま、負けないんだからっ!」
 意味不明な言葉を叫んで僕は、その場を走り去った。
 エレベーター横の階段へと姿を消す。
 どうだ?これで誤魔化せたか?生徒会長に憧れた女生徒を演じてみた訳だが……。後を追って来ないと言うことは成功したのか?
 それでも真帆の運動性能では追い付くのは一瞬なので、立ち止まらずに一階の待合を抜け病院をそのまま飛び出す。
 途中、看護婦さんに病院を走らない!と注意を受けたが止まれと言われて止まれる馬鹿はいない。
 女の子走りで百メートルほど走ってゆっくりと僕は止まる。どうやら無事にその場を逃げ出せたみたいだった。
 多分、藤堂にいらぬ誤解をされたのが腹立たしいが、背に腹は変えられぬと言うし……まぁ、良しとしよう。
 とぼとぼと歩き出しながら僕は考える。
 どうしてあの瞬間、殺気を抑えられなくなったんだろう。生きて行って欲しいという言葉を聞いた瞬間に。
 人を勝手に人殺しにしといて……その裏で生きて欲しいとか願っているからか?
 それとも誰もが死に向かっているはずの地獄で生きて欲しい願っているからか?
 ……どっちも、だ。
 藤堂にそんな事を願う権利はない。少なくとも誰が認めようと僕は認めない。
 そして、あの子……名前も知らない僕が出島に運んでしまった女の子は死を望んでいるはずだ。
 少なくとも今の人形のような生を求めていたとは思えない。
 真帆……。僕の目には彼女が自由意志を持って生きているとは思えなかった。
 反応はある。意志もあるように見える。しかし、それらはプログラムされているだけじゃないのか?
 藤堂と一緒にいる真帆はまるで自動人形のように僕には見えた。
 それも……僕の気のせいだろうか?藤堂が嫌だから何もかもを否定したいと思うから、真帆をそんな風に思うのだろうか?
 それでも、僕はさして意味もなく小石を蹴る。
 真帆を殺そうと思った。
 彼女を藤堂の自由にはさせさい。彼女を殺し、二度と生き返れないように殺して尽くしてやろうと思った。
  
  
 学校に戻ると朽木がどこからか持ち込んだカブをバラしていた。いや、修理しているのか?
「なにやってんだ?」
 見ると手元にバイクの部品と一緒に食べかけのアンパンと牛乳の便があった。行儀悪いってか不衛生だろうが。
「いや、こいつを動くようにしたくてな。市街地から持ってきたんだがな」
「あそこにある車とか動かないだろ?」
「いや、プラグとか交換したらいけるかな、と」
「ふぅん。でさ」
 出来るだけリラックスした声で話を続ける。
「真帆を殺すよ」
 朽木は何も答えない。ただその手は変わらず作業を続ける。そして、ぽつりという。
「そっか」
「うん。そうだ」
 僕は力強く答える。
「ところで、な。このカブ……お前の足な」
 は?
「目が点になったわ。乗れるわけねえだろ。僕はスクーターにも乗ったことがないんだぞ」
「じゃ、練習しろ」
「いや、無理だって」
「乗れるまで特訓な」
 レンチで肩を叩きながら立ち上がる。
「最高速度六十キロで走ってギリギリだからニケツするわけにも行かねえんだよ」
 ニケツ?
「とにかく。次の新月までに特訓してでも乗れるようになってもらう」
 いや、意味分かんないし。
「大丈夫。大型乗ってたヤツが教えてくれるから。ナナハンだぞ、ナナハンライダー」
「いや、それカブだよね?ナナハン関係ないよね?」
「はっはっはっ」
「いや、笑って誤魔化すなよ」
 藤堂も腹立つけど、こいつも十分に腹がつ。ってか、殺したい。

多分。もう書かないと思うのでfirst kissのストーリーを書いてしまおうと思います。記憶がある内にw
 
両親を殺されて基本的に遺産は千紗が引き継ぎ、翔太は洋館の管理と妖怪退治だけを任される。実質、遺産0である。
敵のお兄ちゃんによって助けられた(名前忘れた)ので、千紗の姉、別名姉さん(名前忘れた)は無事に保護される。
敵に囚われたのは、姉貴(実はおばさん)と千紗と同じコピーの少女。二名の救出に向かう翔太だった。
敵の指名して来た場所に向かう翔太は実は千紗の在意力で作られた複製人形であった。
犬神の姫と出会う。
犬神の姫に札の出し入れが邪魔だと左腕を切り落とされる。
犬神とその他の妖怪数名が待つアジトに翔太は連れて行かれる。
そこで姉貴と少女は全裸で捕らえられている。
翔太は二人の身柄が安全なのを条件に、性的奉仕を要求される。エロポン太の得意分野であるのが、ホモである。
当然、男一人に犬神二匹(だっけ?)と里見に恨みのある妖怪数匹が同時にエロいことをするシーンである。
詳細は省くが、途中調子に乗った犬神にティンティンを食いちぎられ、しかもその傷跡にぶち込まれ、悲鳴の連続である。
あ、ケツも当然掘られています。
おしゃぶりもさせられます。
あれやこれや一人で大変です。いや、一人で変態です。
無事に?妖怪たちを満足させ、約束は守られます。
後には左腕を無くしティンティンを食いちぎられた翔太が転がっています。妖怪たちは満足し、意気揚々と立ち去ります。
肉体は人形ですが、痛覚とかあるので、翔太はボロボロです。
髪の毛の中に仕込んでいた札を抜き、股間に叩き付ける翔太。無事にティンティンも生え、姉貴も安心です。
っていうか、犬神たちに犯される翔太を見て、少女も一緒に濡れ濡れです。
人形なら道徳的に問題なしと翔太は姉貴に犯されます。
疲れているので翔太は逃げるに逃げれません。しかも、股間はビンビンです。エロポン太です。
少女も一緒になって、ヌメヌメです。
千紗が敵のアジトに救出に向かい見たのは、二匹の犬神と妖怪の死体と二人の女に(自分の母親と同じコピーの少女)襲われる(自主的に)翔太だった。
「ごちそう様っていうか、ごちになりました」と姉貴は千紗に微笑む。
どうやら犬神たちは犬神の姫に殺されたようだった。
さて、修羅場を挟んで犬神の姫を探し当てた翔太は、お兄ちゃんと一緒に向かいます。
「手前は一度逃げ出したんだろ!また逃げるのか?また逃げるために、ここに来たのかよっ!!?」
翔太は、陣:止水鏡明を開く。
止水鏡明とは無限に映し出される犬神の姫の姿の中に、一つだけ残された記憶の欠片を実体化させる陣である。
犬神の姫=無限数VS翔太とお兄ちゃん(戦力外)である。
勝負は見えてます。翔太に一人でも勝てるのか怪しいのに、無限数の姫の前では勝ち目あるはずがありません。
陣は破られ、現実世界に戻されます。
現実世界では、大型拳銃を両手に千紗が待ち構えてました。
「どっちを向いても敵だらけ。遠慮無く撃てるっていいかも?」
撃ちまくってていた千紗が叫ぶ。
「そこの左端!一人だけ怯えて何も出来ない子がいるっ!!」
お兄ちゃんが犬神の姫に言います。
「ごめん。助けられなくて、怖くて、何もかもが怖くて、何も出来なかったんだ」
千紗は無双で、翔太はぼんやりと空を眺めていた。
エピローグ。
ある日、全ての荷物が捨てられた洋館にいる翔太。
洋館の管理及び里見の全てを千紗が掌握したと告げられる。
「下克上で御座います。翔太様はもう用無しで御座います」
千紗は言う。
「あたしはずっとここで待っててやるから、翔太は……姉さんと(名前忘れた)100年人生やって来い」
メイドさん(名前忘れた)とセットで家を追い出される翔太。
「何かすっげえ懐かしいな」と言いながら翔太は玄関の閉まった家の前で座り込む。
いつの間にかうたた寝をする翔太。その頬がつんつんと突かれる。
目を開いた翔太に微笑む姉さん(名前忘れた)。
エピローグ2
イチャラブしている翔太と姉さん。
でも、途中でイチャラブが終わっちゃう。っていうか、いっつもじゃん。
なんで?どうして?いっつもここで終わるの???
問い詰めると姉さんは言う。
「そりゃ、翔太くんは経験がいっぱいあって、あれもこれも色々知ってるだろうけど……あたしは…………初めてなんだよ。大事にして欲しいよ」
「いや、してるよ。めっちゃ大事にしてますよ。でも、キスくらいは普通」
「だからっ!そのキスが初めてなの!!」
そして、結婚まで結婚式までキス禁止と御達しが出る。
処女を大事にしてて新婚初夜までH禁止はよく聞くけど、たかがキスをそこまで大事にするか?
これって実質イチャラブ禁止じゃん。
そして、半年後。
無事に高校を卒業し、念願の結婚式……いや、ファーストキッスが出来る日が来ました。
そして、妙に不機嫌な千紗の視線を感じながら、唇を重ねる翔太。
「くそっ。後ろの千紗が怖くて何も覚えてないぞ。せっかくのファースト・キッスなのに」
そして、結婚式のフィナーレ。ブーケを投げるシーン。本気で奪い合う姉貴と千紗の二人。
姉さんの晴れやかな笑顔でエンドです。
 
 
お疲れ様でした。
ざっくりとした感じですが、こんなのを続きに考えてました。
誤字脱字などがあるかもだけど、もう読み返すのも疲れましたw
first kissを楽しみに読んでてくれた人にはごめんなさいとしか言いようがないです。
これからもぼちぼち小説を書き続けるので、よろしくお願いします。
では、また。

windows10です。
Technical Previewです。
英語ばっかでややこしいです。
でも、IMEは日本語です。
おかげで日本語が打てます。
いつものローマ字打ちに比べたらかなり楽です。
  
  
使った感じだとかなりいいと思います。
ま、本音を言うなら……これなら買いだと思いました。
正直、見直しました。
うぶんつもいいけど、やっぱwindowsいいじゃんと。
この調子でもっと良くなるのだw
   
  
製品版を首を長くして待ってるぜ。
windows10は、この段階では買いです。

   scene-16
 
 
 小学校の保健室……僕が寝泊まりしている部屋の壁掛けの鏡の前で、僕は信じられない光景を目にしていた。
 鏡に映っているのは僕。その後ろには苦笑いをした女子。昨日、僕の髪を切ってくれた女子生徒が僕の顔を覗くように見ている。そして、その反対側には満面の笑顔を浮かべた真性の禿茶瓶が映っている。
「いや、ちょっと待てよ。なんでこうなるんだ?」
 引き剥がしそうな勢いで僕は鏡に食い入る。
 昨日の僕の髪は背中の真ん中ぐらいの長さで、毛先がカールしてて……見ようによってはお姫様みたいな髪型だった。その髪型が嫌で、髪をショートにしてもらったんだ。
 僕の好みにはちょっと長いような気もしたけど、綺麗に纏まっていたし切り直すのも面倒だろうと思い「good!」と言った。
 ま、実際には「いいんじゃない」だったけど。
 それがなんでこんなにふわふわの頭になっているんだ?
 髪が実寸の3/2くらいの長さに縮んでいるじゃないか!?
 パンチほど縮れてはいないけど、普通の高校生なら職員室へ連行されてもおかしくない髪型だった。
「だ、だからさ」
 後ろの女子生徒が視線を合わさないように目を泳がせながら言う。
「元々が癖毛だったんだよ。そ、それに……朝、ブロウで髪を伸ばすって手もあるじゃん」
 確かに毛先はカールしてたが、曲がっている部分を切れば癖は無くなるんじゃないのか?
 朝からドライヤーで毎日髪を整えるなんて生活は、僕は絶対に嫌だった。
「はっはっはっ。だったら俺とお揃いでスキンヘッドにするか?」
 上機嫌に朽木が言う。
「うるさい。黙れ。死ね。ハゲ」
 僕は口汚く罵る。地団駄を踏みたい気分だった。
「いやぁ、お前の罵詈雑言も、その声で聞くとまるで天使の歌声だな」
 本気で嬉しそうな朽木を見て僕は思う。このドM坊主め、と。
 僕は傍らにあった白衣と拳銃を掴んで保健室の出入口へ走る。
「地獄に落ちろ!この禿っ!!!変態!!!バーカッ!!!!!!」
 閉じたドアから聞こえる朽木の高らかな笑い声が本気で腹立たしかった。腹立たしく、悔しかった。けど、泣きはしない。
 目尻に冷たい物を感じたが、これは汗だ。汗に決まっている。
 
 
 白衣に袖を通しながら僕は橋に向かって歩いた。
 出島と陸を繋ぐ、通称出島大橋へだ。
 ゾンビの姿は無し。ってか、動く物は何も見当たらない。絵に書いたようなゴーストタウンだ。これもいつも通りって言うのかな?
 道のそこら中に埃の浮いた自動車が放置されている。見た感じ壊れてないけど動くのかな?
 ま、動いたところで十七歳なので運転出来ないけど。いや、免許は生前に取ったから運転の方法は知っているけど、未成年だから運転はダメだろう。
 ……ダメだよな?
 知らん顔をして止まっている自動車に近付き、後ろ手にドアの取っ手に指を掛ける。
「ん」
 思わず声が出たけど、出ただけでドアは開かなかった。ロック掛かってるじゃん。
 試しに他の車も試したけど、やっぱりダメだった。
 バイクも何台かあったけど、全部キーが抜かれていた。
 映画とかでキーを使わずにエンジンを掛けてるシーンを見たことがあったけど、生憎と僕にそんな知識は無かった。
 いや、もしかしたら……キーを何とかしてもガソリンが入ってないとかありそうだ。
 僕は車は諦めて歩きで行くことにした。最初からそのつもりだったし。っていうか見た車全部がマニュアル車だった。2000ccクラスの車をマニュアルで運転って、どんだけマニアックなんだ。
 いや、でも、昔はほとんどの車がマニュアルで大型になればなるほどFRだったか。
 などとぶらぶら歩いてる内に橋が近付いて来た。
 橋の真ん中にはサブマシンガンを構えた風紀委員の姿が見える、けどそれを無視して歩を進める。
 朽木の言うには、「昼間も出入りしている生徒は結構いるぜ。島の中じゃ授業をサボるにも場所がないからな」だそうだ。
 つまり、僕一人の出入りがチェックされるはずがないと僕は思う訳で……訳なんですが、何でそんなにこっちを睨んで来るんですか?
 見てる。めっちゃ見てるよ。ってか、露骨に警戒されてるっぽいんですが?
 マシンガンを向けられてるわけじゃないけど、いつ向けられてもおかしくないほどの警戒っぷりなんですけど。
 あれか、風紀委員はここを通って出た生徒の顔を全部覚えていて、顔を見ていない相手を不審人物としてチェックする機能でもあるのか?
 いやいやいや、そんな橋を通った人間の顔を全部覚えているなんて人間いないだろ。……!?人間じゃなかった。女の子の姿をしてても、あいつらは獄卒、地獄の鬼だった。
 僕は出来るだけ風紀委員の目を見ないようにして、足も出来るだけ足音を立てないように歩いた。いや、自分でも不審な動きって思うけど、自然とそうなっちゃうんだから仕方がない。
 きっと僕は浮気とか一瞬でバレるんだろうな。いや、もちろん生前の僕は真面目一本槍で浮気なんかしたことないですよ。単にモテなかっただけかも知れないけど、浮気をしたことはないです。はい。
 風紀委員の横を無事に通り過ぎてって、背中にめっちゃ視線を感じるんですけど!!
 確信する。いま後ろを振り返ったら風紀委員とバッチリ目が合うと。
 背中に視線を感じるまま僕は冷汗をかきながら歩みを進める。
 あそこだ。あの背の低いビルを過ぎれば横道に入るんだ。後10m……5m……3歩……1歩。今だ!
 ほとんど飛び込むみたいに僕はビルの影に隠れる。
 マジで冷汗をかくなんて生まれて初めてかも知れない。僕は手汗で濡れる手の平をじっと見る。いや、生まれてからじゃない。死んでからだ。
 ま、それはともかくすっげえ怖かったな。もう見てないよな、とひょっこり顔を覗かせ……まだこっちを睨んでいた風紀委員とバッチリ目が合う。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
 訳もなく謝りながら隠れる僕だった。
 引いたはずの手汗がぶり返していた。ってか、なんでこんなに手汗をかくんだよ。汗かきかよ、この女。
 汗で濡れた手をTシャツの腹で拭き、早足にビルの影を商店街に向かって走る。
 睨んでる風紀委員は、しかし、それ以上のことをして来なかったから、放置していて大丈夫だろう。それよりも先ずはお腹が空いているので、腹拵え先だ。
 小学校を飛び出したのが9;30過ぎぐらいだから、そろそろ商店街の店も開いているだろう。
 
 
 そして、僕は……ゴーストタウンにいた。
 いや、ちょっと待て。これはおかしいだろ?出島の中にどうしてゴーストタウンがあるんだよ。
 だけど、見慣れた商店街は、商店の数々は埃に埋もれ、どの店もシャッターを閉めていた。
 いや、開いている店もある、けど……その商品は疎らで人目を惹くような派手さはどこにもなかった。
 開いてる店の傾向もどこかで見た記憶がある。
 酒屋。豆腐屋。老舗っぽい呉服屋。酒屋。文房具屋。シニア向けっぽい服屋。万屋っぽい八百屋。また酒屋。
 若い派手な層の喜ぶ店が一件も無かった。本屋もレコード屋も菓子屋さえも無い。
 ま、さか。
 ある記憶が僕の脳を揺さぶる。
 これは、まさかアレなのか!?
 僕はシャッターの閉まった商店街を走り向ける。
 ぶつかる人なんかいない。人はほとんどいない。買い物客は皆無だと言えた。
 商店街を抜け、大通りに向かう。
 どこだ。アレはどっちにある?
 あった。
 見覚えのある案内板があった。
 デパートのROHANの飾り文字が赤く禍々しく描かれている。
 後に大手のフタイ百貨店に吸収されるデパートのROHAN、ロハンだった。
 デパートのロハン、ソダツ、ジェッツの三社は地元の商店街を駆逐しつつ店舗を展開し、最終的には経営破綻から業界最大手のフタイ百貨店に吸収合併される。多くの店舗を閉店されながら。
 だが、それはまだ未来のことだ。
 いまはまだ地元商店街を駆逐しながら悠々と店舗経営をしている。
 僕は歯噛みしながら遠くに見える郊外型の店舗を見据える。
「また……手前らか」
 商店街に義理はないが、なぜか僕はこの郊外型の店舗が大嫌いだった。
 嫌いなのに他に店がないから使わないといけないのがもっと嫌だった。
 粗悪な外国ブランドを多く取り入れているのも嫌いな理由だった。外国の品でもちゃんとした物はあるのに、粗悪な品を安く売っているのが大嫌いだった。
「ふっ」
 軽く息を吐いて、両手を腰にやる。
 まぁ、ここで僕が腹を立てても仕方がないので、気持ちを切り替える事にする。
 デパートならファーストフードの店かフードコートがあるだろ。どこか適当な店で腹拵えでもしようっと。
 ま、商店街のお店には悪いが、潰れたのは経営努力の無さの結果だ。
 現に老舗っぽい呉服屋や豆腐屋は元気に店を開いてたし、他の店もそうだ。開いてる店はそれなりに工夫なり努力をしているんだろう。酒屋が潰れないのは謎だけど。
 どっちにしろ僕には関係がない。
 それに違和感があるけど、これは実際にあった事なんだから仕方がないんだろう。
 時代が追い付いただけの事だった。
 
 
 フードコートじゃなくてオープンカフェ風のハンバーガーショップ「ザクザクバーガー」で、野菜いっぱいのダブルチーズバーガーとフライドポテトとシェイクのセットを頼んだ。
 トマトにレタス、それにダブルでハーフパウンドになる大型のハンバーグが目玉のデブ御用達のセットだ。勇者はこれに分厚いパイナップルを追加するのがお約束だった。
 ちなみにバンズがズレないようにプラスチックの串で全体を刺してくれるのは、ザクザクバーガーではこのサイズのハンバーガーからだった。
 あ、ちなみに僕は勇者じゃないのでパイナップルは無しです。
 ほんと久しぶりだなぁ。この真ん中がズレてるのに串で刺しちゃってるのが懐かしくて泣けるぜ。
 朽木もアンパンばっか買って来ないで、こうゆうのを買って来いと言いたい。
 フライドチキンもいいよな。コールスローとかコーンのサラダも食べたいよなぁ。
 ハンバーガーを食べながら懐かしい味を思い出し、僕は食欲を一段と刺激される。
 今度、朽木に買って来させるかな。ここまで来るの面倒だしな。でも、僕ってこんなにファーストフードの味が好きだったっけ?
 生前の記憶でハンバーガーショップとかの情報があったってことは、ある程度は好きだったんだろう。でも、それよりも手作り感の溢れるパンが好きだった理由はどうしてだろう?
 一頻り首を傾げ……わからんと僕は考えるのをやめた。
 ハンバーガーを一旦置き、ポテトに手を伸ばす。このカリカリのポテトも懐かしいよな。ジューシーさは皆無で、乾燥ポテトかよって笑いながら食べたよな。
 シェイク片手にポテトを一本ずつ食べる。シェイクを置き、両手でハンバーガーを掴み上げ、おもむろに齧る。女の子顔以上のサイズがあるから食べ応えがある。
 と、食べ掛けのハンバーガーの向こうに見知った風紀委員がいるのが見えた。
 ドSじゃねえか。
 いや、ちゃんとした名前っていうか正式名称知らないけど、僕が勝手にドSって呼んでいる風紀委員がオープンカフェに入って来ていた。
 他の客がいない店の中を白々しく見渡してから彼女は僕に近付く。
 いや、落ち着け。今はこの姿なんだ。僕だって気付くはずがない。大丈夫だ。冷静になるんだ。
 僕はハンバーガーで顔を隠し(でっかいバーガーで良かったぜ)、ドSをやり過ごす。やり過ご……ってなんで真正面に立っているんですか!?
「随分と旨そうな物を食べているのだな。どうだ……旨いか?」
 僕はハンバーガーで顔を隠しながらドSの様子を伺う。それに何気に手汗も気になっていた。
「なんとか言ったらどうだ?ナンバー……10524」
 ナンバー!?ナンバーってなんだよ。何のことを言ってるんだ???
「おや、君は知らなかったのかな?我々風紀委員はそれぞれナンバーが与えられ、発信機が身体に埋め込まれているのだよ」
 マジですか!?僕は思わずハンバーガーを落としそうになる。絶対に落とさないけど。
「ある程度距離までしか使えない近距離用の信号が出ているのだよ。ちなみに、君のその身体からは10524号の信号が出ている。まぁ、多少……見た目が変わっているようだがな」
 ドSは僕の向いの席に腰を下し、じっと僕の食べているハンバーガーを見る。いや、僕の顔を見ているのか?
「随分と……旨そうな物を食べているな。どうだ。それは……旨いかい?」
 目を細め、最初の言葉をドSは繰り返す。
「食べたいのなら……買って来ましょうか?」
 自分で買って来いと言いたかったが、僕の本能が下手に出ることを選んでいた。
 絶対に逆らうな。そう僕の心が叫んでいる。殺されたくなければ、絶対に逆らうなと。
「そうだな。では……遠慮無く、頂こうかな」
 僕はゆっくりと手に持っていたハンバーガーをトレイに戻し、「じゃ、買って来ます。同じのでいいですよね?」とテーブルを立つ。
「ふむ。……シェイクはストロベリーにしてくれないか。あの期間限定のがいいな」
 ドSはオープンカフェの壁に貼られているポスターを指差して言った。
 それを目で確かめて僕はカウンターへ足を向ける。いっつも同じ日を繰り返しているのに期間限定も何もないだろうに。でも、あれか。同じ日でも曜日が違うんだから、季節も変わるのかな?長くこの世界に住んでいるヤツに今度聞いてみよう。
 っていうか、相変わらず甘いのが好みっぽいな。ドSの癖に。